虹トラック「國井号」はゆくよ。どこまでも。
B2サイズの大きな画用紙いっぱいに広がるマス目の一つ一つがカラフルに彩られている。ときには、緑から青、紫、赤、オレンジ、黄色、茶色と虹のような色のグラディエーションが描かれていたり。またあるときは、アトランダムにそれらの色がちりばめられ、チカチカ、キラキラ光っているように描かれている。カラフルなマス目の下にはよく見ると黒い丸が数個並んでいる。これが國井勇さんが描く「虹トラック」、もしくは「國井号」である。
國井さんは、初めの頃、細かなマス目を黒いマーカーかボールペンでフリーハンドで描いていた。今は定規で小気味よく描いている。マス目の一つ一つは色鉛筆で塗られていく。國井さんは、この「虹トラック」をアート支援室〈ぴかり〉ができる前から自室で描いていた。支援者の一声、「絵でも書いてみれば」がはじまりだった。2010年に〈ぴかり〉ができてからは、担当者の菊地さんが部屋にいないときに絵を描きにやって来る。菊地さんがいるときは、なるべく来ないようにするか、紙だけとりにきて自室で描く。
國井さんは大の車好き。「おれの車」と命名したリヤカーをひいて歩き、山へ出かけ木の枝を集めたり、くるみを採集したりする。また、国道を行き交う大型のトラック、ショベルカー、除雪車などをひとしきり愛でるのが日課である。
若い頃は、パークゴルフ、クロスカントリーなどアウトドア派であったが、最近は年齢とともに、徐々に創作活動にシフトしてきた。
虹トラック「國井号」に積まれているのは、荷物か除雪車の雪か。一面真っ白の雪景色の中、キラキラときらめく夢を乗せて今日も走っていく。