*本記事は「一緒に遊ぶ、からはじまること――対談NAOYA(ePARA)×なむ(ゲームさんぽ)」「『AUDIO AR GAME MAKER』でオーディオゲームをつくって遊ぼう!ワークショップ体験記」の2記事とあわせてご覧ください
他者の見ている世界・感覚を楽しむ
さまざまな分野の専門家をゲストに迎え、雑談をしながら多様な視点を共有するゲーム実況「ゲームさんぽ」を覗いてみれば、ほかの人が見ている世界がどれほど違っているかに気づかされる。ますます広がりを見せるゲーム実況は、多様な視点や感覚の違いを楽しむ環境を生み出している。こうした取り組みは他者の感覚に対する理解を促進するだけではなく、現実世界の別の見方を体感する機会ともなりうる。
変わりゆくアクセシビリティ
「一緒に遊ぶ、からはじまること――対談NAOYA(ePARA)×なむ(ゲームさんぽ)」の記事で紹介したように、ストリートファイター6ではサウンドアクセシビリティ機能が実装されたほか、PlayStation5では自分の身体に合わせてボタンの付け替えや配置の変更ができる「Access コントローラー」が発売。さまざまな感覚や特性をもつ人がそれぞれに適した環境で、同時にプレイできる世界が実現しつつある。将来的にはゲームの世界で実装されたアクセシビリティ機能が現実社会に応用される可能性もあるだろう。
学び合い、高め合うコミュニティ
「一緒に遊ぶ、からはじまること――対談NAOYA(ePARA)×なむ(ゲームさんぽ)」の記事で紹介したePARAが開催する心眼PARTYや、Discordでの部活からは、ツールを通して離れた場所でも同じゲームを楽しむ風景が見えてくる。そこにはそれぞれの感覚や特性を互いに補い合い、学び合い、高め合う新しい協働のコミュニティが生まれている。
デバイスもゲームも自分でつくる
進行性筋ジストロフィー症という難病を抱える格闘ゲーマーの畠山駿也/Jeniさんが試行錯誤の末、顎で操作できるコントローラーを自分で制作する様は、道具を自分でつくる職人のようでもある。ほかにも「『AUDIO AR GAME MAKER』でオーディオゲームをつくって遊ぼう!ワークショップ体験記」のレポートで紹介した「AUDIO AR GAME MAKER」が公開されるなど、メーカーがゲームやデバイスを制作し、ユーザーに提供するという構図もまた書き換えられはじめている。
名づけられない機能と戦術
機能が充実する一方で、プレイヤー側もまた機能を使いこなし、ゲーム環境に介入している。音響設定やボタン配置、感度設定に至るまで、時にはアクセシビリティとは謳われていない機能でも、プレイヤー自身が自分の感覚や特性に合わせて活用する戦術をプレイしながら身につけていく。