みずのき美術館では、2014年より障害者支援施設〈みずのき〉内で取り組んできた絵画教室の作品や関連資料の保管環境の整備とデジタルデータによる管理・公開に取り組んでいます。こうしたアーカイブの活動を、展覧会を通して紹介する「みずのきアーカイブのための展覧会」を2016年よりシリーズで開催。
今年度のアーカイブでは、みずのきの活動に留まらず、京都府内を中心に他の地域や事業所で障害のある方たちがどのような環境で創作活動を行い、作品を生み出しているのかをリサーチし、それらのアーカイブの方法を構築、発信する活動を行っています。その初回として、かつて〈みずのき〉で暮らし絵画教室のメンバーとして活躍した高橋滋さんにフォーカスを当て、現在高橋さんが暮らす〈みずなぎ学園〉でリサーチした内容をもとに紹介します。
高橋滋
1941年生まれ。1961年に〈みずのき〉に入所し、みずのき絵画教室の設立時より参加する。1974年、法人内の〈かしのき寮(現・かしのき)〉へ移った後も、絵画教室への参加は継続した。1983年、京都府舞鶴市にある〈みずなぎ学園〉に入所。
みずのき絵画教室時代の記録によると、「『絵の虫』と呼ばれるほど、 絵を描くことが好きだった」「左目の視力が悪く、右目を紙にくっつけるようにして描いていた」などとある。アール・ブリュット・コレクション(スイス・ロ一ザンヌ)に6点が永久収蔵されている。