「東京ろう映画祭」は、ろう者の社会や芸術の発展につながる機会の場をつくることを目標としています。ろう者をとりまく手話世界を映し出した映画作品を多くの人に観てもらい、その文化を楽しみ、聴者そしてろう者自身にもより深くその魅力を知ってもらう活動を続けています。2017年、東京の渋谷・ユーロライブにて開催された第1回東京ろう映画祭では、世界中から集めたバラエティ豊かな12作品を上映して、3日間の会期中に1,500人の観客が訪れました。
一方「シズカン」とは、シズオカ×カンヌウィークの略称で、フランス・カンヌ市と姉妹都市である静岡市にて、カンヌ映画祭の同時期の毎年5月に開催する2010年より続く静岡県が主催のプロジェクトです。「映画を観に行く」をイベント化し、マルシェ&野外上映を軸に展開しています。
今回、多様性をポジティブに捉え進化を目指す「シズカン」に東京ろう映画祭が共感し、2者のコラボレーションが実現。シズカン開催中の静岡にて、東京ろう映画祭がセレクトする作品の上映と手話による絵本聞かせの企画が開催されます。
【調印式のお知らせ】
シズカン×東京ろう映画祭提携記念
シズカンと東京ろう映画祭は、相互の交流とPRを目的に協力協定を結び、調印式が下記日程にて行われます。
日時:2018年5月5(土) 10:00~
会場:JR静岡駅ビル「パルシェ」入口
【上映作品の紹介】
『音のない世界で』
監督:ニコラ・フィリベール
1992年/フランス/フランス語・フランス手話・日本語字幕
日時:2018年5月5日(土) 13:30-15:30
上映会場:JR静岡駅ビル「パルシェ」7階 D会議室
定員:50名(当日受付・先着順)
無料
主催:パルシェ(静岡ターミナル開発㈱)
パリのろう学校では、ろう児たちが手を口元に当てて息が吹きかかる感覚で声を出す練習をしている。また別のとある場所では、ろうの男性が 手話で聴者たちに自らの体験を伝えている……。
ニコラ・フィリベール監督が異文化という視点から、音の聞こえない世界を捉え、ろう者たちの率直な姿を映したドキュメンタリー。
92年ポポリ映画祭、ベルフォール映画祭、ボンベイ国際映画祭でグランプリを受賞するなど各国で高い評価を受けました。
『LISTEN リッスン』
監督:牧原依里、雫境
2016年/日本/58分/音声なし(サイレント)・日本手話・日本語字幕
文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品
日時:2018年5月5日(土)19:00〜
上映会場:登呂遺跡 野外上映
予約不要・無料
ろう者が自身の手指や、表情・全身を使い視覚的に「音楽」空間を創り出していく有り様を映し出した完全無音のアート・ドキュメンタリー。「音楽とは?」という問いのさらに奥深く、人の内面から滲み出る内なる“何か”へと迫っていく。毎日新聞映画コンクールドキュメンタリー部門ノミネート。
心のバリアフリー上映会『ヴァンサンへの手紙』
監督:レティシア・カートン
2016年/フランス/105分/フランス語・フランス手話・日本語字幕
日時:2018年5月13日(日)14:00〜
上映会場:創造舎
定員:50名(当日受付、先着順)
無料
主催:静岡市心のバリアフリーイベント実行委員会
レティシア・カートン監督のろう友人、ヴァンサンが突然亡くなった―。失意のレティシアは、フランスのろう者と手話の世界へカメラを向ける。社会から抑圧され続けてきた彼らの怒り、家族への愛や葛藤、ろう教育の現実……。彼が教えてくれた「もう一つの世界」で生きる人々の喜びと苦悩に寄り添い、彼の死の意味を考え続けた10年間の記録。モントリオール世界映画祭など、複数の映画祭に出品。
【関連企画】
手話による絵本聞かせ・体験
日時:2018年5月5日(土)14:00-15:00
会場:登呂遺跡博物館 多目的ホール
協力:(特非)しゅわえもん、(公社)静岡県聴覚障害者協会
絵本作品タイトル:『もこもこもこ』『いちにちおもちゃ』(作品は変更される可能性がございます。ご了承ください)
5月13日に上映されるドキュメンタリー映画『ヴァンサンへの手紙』に出てくる、手話による絵本聞かせをシズカンにて企画。絵本の世界を豊かな手話表現でスタッフがあらわします。手話がわからない大人も子どもも一緒に楽しめます。