「耳で聴かない音楽会」は、主に聴覚障害のある方に音楽を楽しんでいただく趣旨で企画された、体験型コンサートです。耳での音響の受容に加え、全身で振動を体感できる仕組みと、「体験」を重視した内容により、聴覚障害のある方も音楽を楽しめる構成となっています。テクノロジーを活用した聴覚補助システムにより振動を身体で感じながら演奏を聴くほか、実際に楽器を手にして振動を体感する、至近距離で演奏を聴く等のプログラムが想定されています。聴覚補助システムとしては、本コンサートのために新たに開発した、音の振動を身体で感じる風船型デバイス「 SOUND HUG 」(※1)のほか、ジャケット型ウェアラブルデバイス「ORCHESTRA JACKET 」(※2)、頭に装着することで音に反応し光と振動を生みだす「Ontenna」(提供:富士通)などを活用し、手話等での会話・言語補助も実施されます。
※1「SOUND HUG」
抱きかかえることで音楽を視覚と振動で感じられる球体型デバイスです。楽曲全体や特定の楽器の音を MIXして、球体の振動スピーカーで再生することで音楽を振動として感じることができます。また、音楽と合わせて球体が発光する仕組みになっていて、振動だけでは伝わりづらい曲の旋律を視覚で感じることができます。
※2「ORCHESTRA JACKET」
落合陽一氏と博報堂、株式会社GOが開発した、着ることで音楽を全身で体感できるジャケット型のウェアラブルデバイス。ジャケットに仕込まれた数十の超小型スピーカーから個々に再生してMIXする仕組み。1人ひとりの身体の形状や動きに応じて音楽の聴こえ方も変化し、特に、サブウーファーが生む低音や全身に響く振動が体験者に大きな迫力を生みだします。(2017年4月27日発表)
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/announcement/38600
落合陽一
筑波大学准教授/メディアアーティスト/Pixie Dust Technologies, Inc. CEO
1987年生まれ。2015 年東京大学大学院学際情報学府博士課程早期修了、博士(学際情報学)。その後、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社創業、フェーズドアレイ技術やデジタルファブリケーション技術の開発に関わる。2015年より筑波大学図書館情報メディア系助教デジタルネイチャー研究室主宰。2017年よりピクシーダストテクノロジーズ株式会社と筑波大学の特別共同研究事業「デジタルネイチャー推進戦略研究基盤」基盤長/准教授。機械知能と人間知能の連携について波動工学やデジタルファブリケーション技術を用いて探求。2015年より、一般社団法人未踏理事、一般社団法人バーチャルリアリティコンソーシアム理事。2017年より筑波大学学長補佐、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授。
受賞歴として、IPA 認定スーパークリエータ・天才プログラマー(2010年)、ワールドテクノロジーアワード (2015年)、プリアルスエレクトロニカ Honorary Mention(2016年)、グッドデザイン賞 (2014年、2015年)、経済産業省 Innovative Technologies賞(2014年、2015年、2016年)、ザンガレンシンポジウム明日のリーダー200人、ベストナレッジプール40人に選出(2017年)、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品:アート部門/エンターテイメント部門(2017年) など。
日本フィルハーモニー交響楽団
1956年創立。創立指揮者渡邉曉雄。
60年を超える歴史と伝統を守りつつ、さらなる発展を目指し、「オーケストラ・コンサート」、「リージョナル・アクティビティ」、「エデュケーション・プログラム」という三つの柱で活動を行っている。首席指揮者ピエタリ・インキネン、桂冠指揮者兼芸術顧問アレクサンドル・ラザレフ、桂冠名誉指揮者小林研一郎、正指揮者山田和樹、ミュージック・パートナー西本智実という充実した指揮者陣を中心に演奏会を行い、“音楽を通して文化を発信”している。2011年4月より、ボランティア活動「被災地に音楽を」を開始。2017年12月末までに 232公演を数え、現在も継続している。
オフィシャル・ウェブサイト http://www.japanphil.or.jp
クラウドファンディング実施中
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落合陽一×日本フィル Vol.1 ≪耳で聴かない音楽会≫
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