ニューヨーク在住の作家、ケンヤ・ハンレイ(Kenya Hanley)の作品のほとんどは「Food 」と“「Reggae 」で構成されています。彼の中心にある2つの主題は常にリンクし合い、独自のフィルターを通して自由な世界観で描きあげられています。作品集のページをめくるごとに、生き生きと描かれたフードが今にもフレームから飛び出してきそうな作品は、まるで、子供の頃に釘付けになった絵本の中の食べ物のようです。
ハンレイは1975年、ブルックリンのカリビアンファミリーに生まれました。家の中にはいつもレゲエミュージックが流れていました。絵を描き始めたのは7歳の頃。最初のスケッチは、当時好物だったシリアルの箱(ケロッグ社のFrosted Flakes)とサラダとレコードジャケットだったそうです。紙袋や紙切れ、あらゆる“描ける平面”をみつけては、身の回りにある好きなものを片っ端からスケッチし、それを自分のベッドのマットレスの下に敷き詰めていたそうです(家族談)。2005年より、ニューヨーク・ブルックリンにある LAND Gallery という、知的障害のあるアーティストをサポートするアートスタジオ兼ギャラリーのメンバーとなります。自らを“アートスクールのギャングスター”と名乗り、週に5日、スタジオのバッドボーイたちとともに、マイペースに今日も「Food 」と「 Reggae」を描き続けています。
ハンレイの作品は、New York Outsider Art Fair、MoMA(ニューヨーク近代美術館)のCullman Education Building、the Christian Berst Art Brut Gallery、ファッションブランド・J.クルーのニューヨーク旗艦店、またベルギーのMADMusée等で展示されたほか、ロンドンのThe Museum of Everythingにも収蔵されています。そして、数々のカルチャー誌、アート誌等で紹介されています。
ハンレイの作品集『 Tasty Reggae 』の出版を記念して、東京では初の展覧会を開催しています。ハンレイの友人であり、『Tasty Reggae』の出版元All-You-Can-Eat Press主宰、Yuki&Daughtersとしてフードオブジェクトを制作するYuki Matsuo との二人展となります。本に収められた作品の原画、そして本展のために描きおろした新作を展示販売します。ハンレイのスケッチブックの展示(非売品)、Yuki&Daughtersによるハンレイの作品の中から飛び出した、アイコニックなアメリカンフードの布のオブジェを展示販売しております。