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【画像】「きになる→そのさき」展のメインビジュアル。濃いクリーム色の背景に5人の作家の作品画像が掲載されている。その上にオレンジの帯のような太い線が2本入っており、その帯の上に白抜き文字で「きになる→そのさき」と展覧会の開催日が書かれている。

(カテゴリー)展覧会

(ニュースのタイトル)福島・はじまりの美術館「きになる→そのさき」展 開催中

(更新日)2024年02月29日

(この記事について)

福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん」にこれまで応募してきた作家のなかから、福島県中通り地域で活動する10代から80代の5名の作家を紹介。

本文

あなたが「きになる」ことはなんですか?  

身の回りの様々な「きになる」ことがら。私たちはそれらにうごかされ、そのさきの今を生きています。

はじまりの美術館では、福島県の委託を受け、福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん」を実施しています。
今回は、これまで開催した7回の「きになる⇆ひょうげん」で出会った、福島県中通りの「きになる」5人の作家と、その作品をご紹介します。
さらに、作家やその周りの人たちにお話を伺いながら、表現が及ぼす様々な作用を追いかけます。きになるそのさきには、何がひらけるのでしょう。

きになったのはだれ?    
きになったことはなに?   

さあご一緒に、きになるそのさきへ。

展示会場の様子

展示会場の様子

展示会場の様子

福島県主催の公募展である福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん」にこれまで応募してきた作家のなかから、福島県中通り地域で活動する10 代から80 代の5名の作家をご紹介します。作家の多くは、美術館での展覧会に初出展です。

身近な素材を使って制作された絵画や切り絵作品、作者の主張や想いを込めた「格言」など、多種多様な表現をご紹介します。目を見張る繊細で細かな表現から、圧倒されるダイナミックな表現まで、ぜひご覧ください。


出展作家

石附若菜(いしづき わかな)

石附若菜《線》2021年

1994年福島県郡山市出身、在住。2017年から絵を描き始め、2018年にアートビリティ登録作家となる。 家族や、支援センターの先生方から褒められたことが絵を描くきっかけ。集中力を持続させるのは苦手だが、絵は飽きずに一日中描いている。特に、生き物、植物、ぐるぐるした模様を描くのが好き。見てくれた方々が明るい気持ちになってみんなが幸せになるような絵をこれからも描き続けていきたいと考えている。作品は様々な雑誌の表紙やカレンダー、パッケージデザインなどにも使用されている。
主な受賞歴に、「第3回スタンド灰皿デザインコンテスト」最優秀賞受賞(2021年)、第5回福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2021」きになる⇆ひょうげん賞受賞(2021年)、「第35回アートビリティ大賞」三菱 HC キャピタル特別賞受賞(2023年)、他。

大内聖惺(おおうち まさと)

大内聖惺《切り絵の動物大集合!!》2023年

2007年福島県本宮市出身、在住。幼少期より絵を好んで描き、特に動物をモチーフとした作品を多く描く。色とりどりのマーカーペンを使用し、下書きをせずに伸び伸び描かれる線や面が特徴。平面作品以外にも、切り絵の作品や、自宅のリビングにて粘土を使ってレリーフ状の作品を作るなど、毎日制作を行っている。
主な受賞歴に、第2回福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2018」オーディエンス賞受賞(2018年)、第5回福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2021」福島県知事賞受賞(2021年)、第7回福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2023」オーディエンス賞受賞(2023年)、他。

木須 弘(きす ひろし)

木須 弘《雪やこんこん》2020年

1942年福島県福島市出身、伊達市在住。福島県総合美術展、モダンアート展、欧州美術クラブ(チリ)展に出展するほか、個展を中心に創作活動を行う。現在は、特別養護老人ホーム〈ファミーユ〉に居住している。2歳の頃に小児麻痺を患い、足が不自由となった。絵は独学で学び、こけしの顔を描く仕事や看板制作の仕事、絵画教室での講師などを行う。1964年頃から本格的に絵画制作を行う。40代の頃から水彩絵の具とパステル、サインペンなどを使い「メルヘン画」を描くようになる。簡略化した家や建物、人、夜空に浮かぶ月や星をモチーフとする。
主な受賞歴に、「第26回チリ美術賞展CAEA賞受賞」(2000年)、「第66回福島県総合美術展覧会」洋画の部 佳作・福島県文化スポーツ局長賞受賞(2012年)、他。主な出展歴に、「木須弘 個展 ~絵と旅をした男~」(2014/伊達市梁川美術館/福島)、「収蔵作品展」(2018/伊達市梁川美術館/福島)、他。

zuoruren(ゾウロレン)

zuoruren 《涙》2021 年

1980年福島県田村郡三春町出身、在住。美術系の高校・短大に進学し、2001年に長野に移住。その後2017年に福島県へ戻り、公募展に積極的に応募をするようになる。平面作品から立体作品、手工芸まで、媒体を問わず様々な作品を制作する。作品はそのときの自分の「分身」のような存在だという。感じたことを残すように形をつくり、時には年輪のように、時には脱皮をするように成長をしながら制作を行っている。絵を描くときには自身の感覚を大事にし、特に色の配色を考える際には口の中で吟味するように色のイメージをして確かめる。
主な受賞歴に、「白石一文『翼』イメージ画像コンクール」大賞受賞(2014年)、「第4回Art to You! 東北障がい者芸術公募展」入選(2018年)、第5回福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2021」特選(以後、毎年特選)、第8回東北障がい者芸術全国公募展「Art to You!」入選(2022年)。
主な出展歴に、「がばいアーティストたち vol.5」出展(2023/ゆめぷらっと小城/佐賀)、「きになる⇆まちなか美術館 @白河市」出展(2023/白河市内各所/福島)、他。

原 学志(はら さとし)

原 学志《格言ロード》2021年

2006年福島県東白川郡棚倉町出身、在住。中学生の頃から自分の主張したいことを、「格言」形式の言葉や、原稿用紙のマス目に印刷した「小論文」形式で表現をしている。格言は当時の中学校の教員の目に留まり、「格言ロード」として中学校の中で展示された。近年は、短編小説を書くことが多い。中学生のときに美術部に入ったことをきっかけに絵の制作を始める。YouTubeなどで技法を調べ、独学で人物や動物、風景などを描く。

主な受賞歴に、2021年度第9回「いじめ・自殺防止」コンテスト作文部門 最優秀賞受賞、第5回福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2021」審査員賞・川内有緒賞受賞(2021年)、他。2021年に福島県知事・棚倉町長との交流をきっかけに、知事室には、原さんが書いた格言が飾られている。


関連イベント

ギャラリートーク

日程:2024年2月10日(土)、3月2日(土)、4月6日(土)
時間:各日午後1時から1時30分
参加費: 無料(要観覧料)  ※事前申し込み不要  
ゲスト: 石附若菜・原 学志(2月10日)、zuoruren (4月6日)
企画担当者と一緒に展覧会を巡ります。また出展作家のみなさんをゲストとしてお招きし、制作のことや想いなどについてお話を伺う予定です。 
※天候や作者の体調等により変更の可能性がございます。

公開制作

日時:2024年3月2日(土)午後1時から午後3時
参加費: 無料  ※事前申し込み不要  
ゲスト: 大内聖惺
カフェスペースにて、大内さんによる公開制作を行います。作品がうまれる過程をご覧ください。

常設ワークショップ「あなたの格言を書こう!」

出展作家の原学志さんが書にしたためた格言にならって、オリジナルの格言を書いてみましょう。格言は、美術館のカフェスペースに貼り出したり持ち帰ったりできます。

美術館で春の会津の民話がたり

日時:2024年3月20日(水・祝)午後2時から2時30分
いなわしろ民話の会・鈴木清孝さんによる会津の春の民話をみんなで聞きましょう!

ワークショップ「手作りストラップをつくろう」

日時:2024年4月6日(土) 午後2時から3時
参加費: 1つ500 円  ※追加で制作希望の場合は1つにつき250 円
定員:5名(要予約)  
講師:zuoruren
好きな布や紐を選んでzuoruren さんと一緒にオリジナルのストラップを作ってみましょう。参加ご希望の方は、はじまりの美術館までメールまたは電話でご予約ください。


インフォメーション

「きになる→そのさき」展

会期:2024年2月10日(土)から 4月7日(日) 
時間:午前10時から午後6時まで 
休館日:火曜日
料金:一般 500円/65歳以上250円/高校生以下・障害者手帳をお持ちの方および付添いの方(1名まで) 無料
会場:はじまりの美術館(福島県耶麻郡猪苗代町新町4873)

主催:社会福祉法人安積愛育園 はじまりの美術館
後援:福島県、福島県教育委員会、猪苗代町、猪苗代町教育委員会、あさかホスピタルグループ
令和5年度福島県障がい者芸術文化活動支援センター事業

 

お問合せ:はじまりの美術館
電話:0242-62-3454 
ファックス:0242-23-8185 
メール:otoiawase@hajimari-ac.com

はじまりの美術館ウェブサイト

会場

[はじまりの美術館] 日本福島県耶麻郡猪苗代町新町4873 はじまりの美術館

はじまりの美術館
日本福島県耶麻郡猪苗代町新町4873 はじまりの美術館