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『アダマン号に乗って』チラシ画像。赤、青、白のフランス国旗の色の街並みのイラスト、背景に映画のシーン

(カテゴリー)映画

(ニュースのタイトル)ドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督最新作『アダマン号に乗って』

(更新日)2023年04月21日

(この記事について)

日仏共同製作による本ドキュメンタリー作品が、第73回ベルリン国際映画祭金熊賞(最高賞)を受賞!

本文

みんな違ってみんな良い。
パリ、セーヌ川に浮かぶ、奇跡のような船〈アダマン〉

パリの中⼼地、セーヌ川のきらめく⽔⾯に照らされた⽊造建築の船に、今朝もひとり、またひとりと橋を渡ってやってくる。ここ〈アダマン〉はユニークなデイケアセンター。

精神疾患のある⼈々を迎え⼊れ、創造的な活動を通じて社会と再びつながりを持てるようサポートしている。この船では誰もが表情豊か。即興のコンサートでフレンチロックを熱唱!ワークショップでは、⾊とりどりの絵を描き、カフェでレジ打ちをしてお客さんのお気に⼊りのカップにコーヒーを淹れる。精神科医療の世界に押し寄せる “均⼀化”、“⾮⼈間化”の波に抵抗して、共感的なメンタルケアを貫くこの場所をニコラ監督は「奇跡」だという。 〈アダマン〉の⽇々をそっと⾒つめる眼差しは、⼈々の語らう⾔葉や表情の奥に隠れされたその⼈そのものに触れていく。そして、深刻な⼼の問題やトラウマを抱えた⼈々にも、素晴らしい創造性があり、お互いの違いを認め共に⽣きることがもたらす豊かさを観るものに伝えてくれる。本作は、間違いなく最も「優しい」映画であり、この時代にもたらされた“希望”そのものである。

【写真】映画の一場面。セーヌ川に木造建築の船〈アダマン〉が浮かんでいる様子
© TS Productions, France 3 Cinéma, Longride – 2022
【画像】映画のシーン、2人の人がカラフルな絵を指さし見つめている
© TS Productions, France 3 Cinéma, Longride – 2022
【画像】数人の女性たちがテーブルを囲んでジャムを制作している
© TS Productions, France 3 Cinéma, Longride – 2022
【画像】白髪の男性が鍵盤楽器に手を置きながら、こちらを見つめている
© TS Productions, France 3 Cinéma, Longride – 2022

ベルリン国際映画祭で金熊賞(最高賞)受賞

2023年2⽉、第73回ベルリン国際映画祭でクリステン・スチュワートら審査員たちが華々しい作品群のなか⾦熊賞(最⾼賞)を贈ったのは、ある1本のドキュメンタリーだった。「⼈間的なものを映画的に、深いレベルで表現している」と賞賛された本作を⼿掛けたのは、世界的⼤ヒット作『ぼくの好きな先⽣』で知られる現代ドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督。多様性が叫ばれるずっと以前から、社会的マイノリティーとされる存在や価値が共存することを淡々と優しい眼差しで捉え続けてきた。

本作には、ニコラ監督と20年来の交流を持つ日本の配給会社ロングライドが、『⼈⽣、ただいま修⾏中』に続き共同製作として参加。⾦熊賞受賞の⼤きな反響を受けて、25カ国以上の国々で公開が決定。⽇本でも、時期を繰り上げて、今春緊急公開されることとなった。


【画像】金熊賞のトロフィーを持ってこちらを向いているニコラ監督

監督/撮影/編集
ニコラ・フィリベール(Nicolas Philibert)
プロフィール
1951年ナンシー⽣まれ。グルノーブル⼤学で哲学を専攻。ルネ・アリオ、アラン・タネール、クロード・ゴレッタなどの助監督を務め1978年『指導者の声』でデビュー。その後、⾃然や⼈物を題材にした作品を次々に発表。『パリ・ルーヴル美術館の秘密』『⾳のない世界で』で国際的な名声を獲得。『ぼくの好きな先⽣』はフランス国内で異例の200万⼈動員の⼤ヒットを記録し世界的な地位を確⽴する。2008年には⽇本でもレトロスペクティヴが開催された。本作で第73 回ベルリン国際映画祭⾦熊賞(最⾼賞)受賞。


『アダマン号に乗って』予告動画

劇場情報

2023年4月28日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開。
※最新の公開情報は、映画『アダマン号に乗って』公式サイトにて、ご覧ください。


インフォメーション

映画『アダマン号に乗って』
監督:ニコラ・フィリベール
原題:Sur LʼAdamant
⽇本語字幕:原⽥りえ
配給・宣伝:ロングライド
協⼒:ユニフランス
© TS Productions, France 3 Cinéma, Longride – 2022
2022年|フランス・⽇本|フランス語|アメリカンビスタ|カラー|109