はじまりの美術館で、福島県鏡石町出身・在住の森 陽香(もりはるか)の初個展が開催されます。
森さんは、社会福祉法人安積愛育園で取り組む創作活動プロジェクト「ウーニコ」のメンバーとして活躍されています。森さんは脳性麻痺のため手足にこわばりがあり、移動や外出の際には車椅子を使用します。車椅子に乗りながら足の指に筆を挟んで絵を描いています。
作家として活動を続けていくこと、たくさんの人に作品を知ってもらうこと、森さんのその願いが、はじまりの美術館で「森さんの名前を冠した美術館」というアイディアになりました。
タイトルの「わたしがつくる」には、森 陽香という「わたし」と、それを取り巻くたくさんの「わたし」が関わり合い、思いを重ねていくという意味が込められています。この個展が、世界にただ一人の「わたし」に届き、たくさんの「わたし」へと想像が広がっていきます。
森 陽香(もりはるか)
1988年福島県鏡石町出身・在住。主な受賞歴に、第2回 産経はばたけアート・フェスタ2008 優秀賞(大阪市立美術館館長、篠雅廣氏選)、第4回福島県障がい者芸術作品展「きになる⇆ひょうげん2020」日比野克彦賞、第8回Art to You!東北障がい者芸術全国公募展 福島県知事賞など。主な出展歴に、「アール・ブリュット ジャポネⅡ」(パリ市立アル・サン・ピエール美術館/フランス/2018-2019)他多数。2022年に『d design travel 福島』表紙に作品採用。
のびやかに画面からはみ出す生き物たち。森さんの制作は、週4日通う事業所・地域生活サポートセンター「パッソ」で行われている。描かれるモチーフには動物や魚、虫などの生き物が多くみられる。大胆な筆跡の躍動と、生き物たちの愛嬌あふれる表情とがあいまって、作品には不思議な生命力が宿り、今にも動き出しそうである。
関連イベント
ギャラリートーク!
森さん、美術館の企画担当者の方と共に会場を巡ります。日々の制作のことや作品がうまれる背景などが語られます。
日時:2023年2月4日(土)、3月4日(土)、4月1日(土) いずれも14:00 – 14:30
会場:はじまりの美術館
定員:5名程度
参加費:無料(要観覧料) 事前申し込み不要
陽香さんとライブドローイング!
森さんが描いた作品に筆を重ねる形で、森さんのスタイルで作品制作に参加することができます。作品の変化は、はじまりの美術館twitterやInstagramで随時紹介されます。
日時:2023年2月4日(土)– 4月2日(日)開館中随時開催
会場:はじまりの美術館
参加費:無料(要観覧料)
春香る会津 美術館で民話がたり
いなわしろ民話の会・鈴木清孝(すずききよたか)さんによる語りが行われます。会津の春の民話や、森さんの作品のモチーフに関係する民話も語られます。
日時:2023年 3月 18日(土)14:00 – 14:30
会場:はじまりの美術館 ohaco cafe
参加費:無料 ※事前予約不要
森 陽香 POP UP SHOP!
はじまりの美術館内ショップにて、森さんの作品がデザインされたオリジナルグッズが販売されます。今回販売されるグッズは、ふせん、シュシュ、クッションキーホルダー、ポストカード、クリアファイルなど。はじまりの美術館オンラインショップでも販売が予定されています。
ウーニコについて
福島県にある社会福祉法人安積愛育園を利用されている方の創作活動を支援するプロジェクトunico(ウーニコ)では、利用者の方の活動に寄り添い、興味や関心・魅力を引き出す試みをされています。生まれた作品を広く知ってもらうため展覧会を開催、作品を商品化し販売することを通して、利用されている方を社会へつなぐ活動が続けられています。
森さんは2008年より、unicoのメンバーとしても活動しています。はじまりの美術館の展覧会シリーズ「unico file」では、ウーニコのメンバーが 個展形式で紹介されています。