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(カテゴリー)展覧会

(ニュースのタイトル)京都国立近代美術館にて、展覧会「眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井寛次郎」開催中

(更新日)2022年04月08日

(この記事について)

 「さわる」「きく」などの感覚を使い、次郎の作品づくりを新たな角度からひも解く

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京都国立近代美術館では、「みる」ことを中心としてきた美術鑑賞のあり方を問い直し、「さわる」「きく」などさまざまな感覚を使うことで誰もが作品に親しみ、作品の新たな魅力を発見・共有していく「感覚をひらく」事業が行われています。2020年度からは作家(Artist)、視覚に障害のある方(Blind)、学芸員(Curator)がそれぞれの専門性や感性経験を生かして協働し、所蔵作品をテーマとする新たな鑑賞プログラムを開発する「ABCプロジェクト」に取り組んでいます。

2年目となるこのプロジェクトでは、河井次郎(1890-1966)が晩年に制作した《三色打薬陶彫》(1962年)に焦点を当てています。この展示では、「暮しが仕事 仕事が暮し」という次郎の言葉(『いのちの窓』1948年)を手がかりに、次郎の暮しぶりに触れていくことで、その造形感覚を読み解くことを試みています。

次郎は自らがデザインした家具や愛用品に囲まれた空間で、トランジスタラジオを聴いていました。そして、機械製品、仏像、西洋絵画、建築、こどもの詩や薬品などの新聞記事を切り抜き日記に挟むといった暮しを営みながら、日々の仕事を行っていました。また「眼聴耳視」という次郎の言葉からは、身近な自然や機械製品のかたちを身体感覚によってとらえ、自身の中で溶け合わせ調和させながら自由な造形を生み出していった姿を想像することができます。

会場では、次郎が切り抜いた新聞記事をはじめ、安原理恵による河井次郎記念館の物品を触れて鑑賞した音声、それをもとにした中村裕太の手でふれる造形物が展示されます。そうした空間のなかで「さわる」「きく」などの感覚を使って、次郎の作品づくりを新たな角度からひも解きます。また、寬次郎の仕事をその暮しぶりからひも解いたウェブサイト「ABCコレクション・データベースVol.2 河井次郎を眼で聴き、耳で視る」も公開しています。

「ABCコレクション・データベースVol.2 河井寛次郎を眼で聴き、耳で視る」

作家(Artist)、視覚障害のある方(Blind)、学芸員(Curator) が、河井次郎の仕事をその暮しぶりからひも解いたウェブサイト。自宅等でも鑑賞を楽しむことができるコンテンツです。

「ABCコレクション・データベースVol.2 河井次郎を眼で聴き、耳で視る」ウェブサイト


作家紹介|中村裕太

1983年東京生まれ、京都在住。2011年京都精華大学博士後期課程修了。博士(芸術)。京都精華大学芸術学部特任講師。〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの学術研究と作品制作を行なう。近年の展示に「第20回シドニー・ビエンナーレ」(2016年)、「あいちトリエンナーレ」(2016年)、「柳まつり小柳まつり」(ギャラリー小柳、2017年)、「MAMリサーチ007:走泥社—現代陶芸のはじまりに」(森美術館、2019年)、「ツボ_ノ_ナカ_ハ_ナ ンダロナ?」(京都国立近代美術館、2020年)、「丸い柿、干した柿」(高松市美術館、2021年)、「万物資生|中村裕太は、資生堂と  を調合する」(資生堂ギャラリー、2022年)。著書に『アウト・オブ・民藝』(共著、誠光社、2019年)。
中村裕太 公式ウェブサイト

河井寬次郎《三色打薬陶彫》1962年 京都国立近代美術館蔵

河井寬次郎《書「眼聴耳視」》1962年頃(提供:河井寬次郎記念館)

安原理恵の触察<手すり>2022年(撮影:表恒匡)

安原理恵の触察<庭の丸石>2022年(撮影:表恒匡)

安原理恵の触察<キセル[河井デザイン]>2022年(撮影:表恒匡)

河井邸 囲炉裏場、1960年代前半(本人生前)(提供:河井寬次郎記念館)


インフォメーション

エデュケーショナル・スタディズ03
眼で聴き、耳で視る|中村裕太が手さぐる河井
次郎

  • 会期:2022年3月18日(金)~5月15日(日)
  • 時間:9:30~17:00 ※ただし金・土曜日は20:00まで開館(入館は閉館の30分前まで)
  • 会場:京都国立近代美術館 4階 コレクション・ギャラリー内
    (京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26−1)
  • 観覧料:一般430円(220円)、大学生130円(70円)
    ※( )内は20名以上の団体料金、夜間開館時の夜間割引料金
    ※高校生以下、18歳未満および65歳以上、心身に障がいのある方とその付添者1名は無料(入館の際に証明できるものをご提示ください)
  • 主催:京都国立近代美術館
  • 特別協力:河井次郎記念館

*新型コロナウイルスの感染状況により開催内容が変更される場合があります。直近の情報は主催者のサイトなどでご確認ください。

*河井寛次郎の「寛」は旧字体の「

 

お問い合せ:京都国立近代美術館

会場

[京都国立近代美術館] 日本、京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26−1

京都国立近代美術館
日本、京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26−1