写真家の川内倫子さんは、2018年から約1年半をかけて、滋賀県甲賀市にある障害者福祉施設「やまなみ工房」の日常の風景を撮影しました。今回の展示では、たねやグループ発行の冊子『ラコリーナ』14号に向けて撮影した作品に加え、2021年に取材した新作を含む約35点が紹介されます。やまなみ工房での日々の生活ばかりでなく、国内外から高い評価を集める作品の制作風景が捉えられています。
やまなみ工房からは、川内さんの写真に制作風景が写っている方を中心に、作家20名による約70作品を展示いたします。写真と作品を併せて展示することにより、川内倫子さんのあたたかなまなざしと透明感のある作風をとおして障害のある方による芸術活動を紹介し、さまざまな属性の方との共生やインクルーシブな社会の実現について考える展示となっています。
また、今回の展示作品を含む、やまなみ工房の日々の営みを捉えた作品は、2022年2月17日に写真集『やまなみ』(発行:信陽堂)としても出版されます。
やまなみ工房 参加作家:
酒井美穂子、岡元俊雄、鎌江一美、田中乃理子、瀬古美鈴、吉田陸人、吉川秀昭、井上優、山際正己、中川ももこ、鵜飼結一朗、榎本高士、宮下幸士、木村圭吾、藤木敦仁、栗田淳一、神山美智子、河合由美子、川邊紘子、吉田楓馬
川内倫子
1972年、滋賀県生まれ。2002年に『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞受賞。2009年に第25回ICPインフィニティ・アワード芸術部門を受賞するなど、国際的にも高い評価を受け、国内外で数多くの展覧会を行う。主な著作に『Illuminance』(2011年)、『あめつち』(2013年)、『Halo』(2017年)など。最新刊に写真集『Des oiseaux』『Illuminance: The Tenth Anniversary Edition』がある。
やまなみ工房
滋賀県甲賀市にあるアートセンター&福祉施設。1986年に開設された。陶芸や絵画、刺繍など、5つのグループに分かれて創作活動を精力的に行い、各々が素材や表現方法を選び、独自の表現を探っている。ファッションブランドとのコラボレーションなども行うほか、2018年には、やまなみ工房での創作活動に着目したドキュメンタリー映画「地蔵とリビドー」が全国各地で公開されるなど、多方面から注目を集めている。
関連イベント
トークイベント
①「写真家、川内倫子が捉えたやまなみ工房」
日時:2022年2月11日(金・祝)14:00~15:30
登壇者:川内倫子、丹治史彦(信陽堂編集室)
②「障害者施設における芸術支援」
日時:2022年2月13日(日)14:00~15:30
登壇者:山下完和(やまなみ工房施設長)、濵崎紀美(若草会職員)、川口彩(若草会アート講師)
※定員:各50人
※参加費:無料(要入場券)
※事前申込制:①は受付終了、②は追加募集中。
専用フォームより応募、または往復ハガキにイベント名、住所、氏名、年齢、電話番号を記入し、ハガキ1枚につき1組申込み。先着順。
映画「地蔵とリビドー」鑑賞会
日時:
2022年2月13日(日)15:40〜
2月20日(日)、27日(日)、3月6日(日)、13日(日)各日14:00~
※上映時間62分
※定員:各回50人、先着順
※参加無料(要入場券)
学芸員によるギャラリートーク
日時:2022年2月19日(土)、3月12日(土)各日14:00~15:00
※参加費:無料(要入場券)
※申込不要。新型コロナ感染予防対策により、入場制限を行う場合があります
写真集『やまなみ』
- 写真・文:川内倫子
- デザイン:須山悠里
- 編集:丹治史彦+井上美佳(信陽堂)
- 印刷:アイワード+日光堂
- 製本:博勝堂
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- 発行:信陽堂
- 定価:5,500円(税込)
- ISBN978-4-910387-02-4 C0072
- 104ページ、A4変形判(285×210ミリ)
※カバーデザインは2種
写真集「やまなみ」ウェブページ:
https://shinyodo.net/diary/793/