私たちは、さまざまなルールに囲まれながら暮らしています。憲法や法律、社会基盤となる公共インフラや公的サービスから、当事者間の契約・合意、文化的背景に基づいた規則やマナー、家族や個人に無意識に根づく習慣、また自然環境の中から生まれた法則まで、ルールは多岐に渡り私たちの思考や行動様式を形成しています。
そしてそれらのルールは今、産業や社会構造の変化、テクノロジーの進化などに伴い、大きな転換を 迫られています。実態を捉えにくく形式的になりやすいものだからこそ、私たち一人ひとりが身の回りにあるルールを意識し、その存在を疑い、自分のこととして柔軟に考えることが求められています。多様なルールと交わり、日々更新し続けることで、私たちの社会とその未来の可能性はよりオープンで豊かな方へ押し広げられるかもしれません。
本展は、日常のさまざまな場面で遭遇するルールの存在と影響を取り上げ、デザインによってどのようにかたちづくることができるのか、多角的な視点から探る展覧会です。
展示内容
本展では、国内外のデザイナーやアーティストの作品を通して、それぞれの目的や方法でルールと向き合う人々の視点を紹介します。さらに、一見ルールとは無関係のようにも思われるさまざまな作品や活動を、新たにルールの視点から捉えることも試みます。
- 石川将也 + nomena + 中路景暁「四角が行く」
- ダニエル・ヴェッツェル(リミニ・プロトコル) 田中みゆき 小林恵吾(NoRA)× 植村 遥 萩原俊矢 × N sketch Inc.「あなたでなければ、誰が?」
- 遠藤麻衣「アイ・アム・ノット・フェミニスト!2017/2021」
- 葛宇路(グゥ・ユルー) 「葛宇路」(2017年)
- 高野ユリカ+山川陸「踏む厚み」
- 一般社団法人コード・フォー・ジャパン「のびしろ、おもしろっ。シビックテック」
- コンタクト・ゴンゾ「訓練されていない素人のための振付コンセプト 003.1(コロナ改変 ver.)」
- 佐々木 隼(オインクゲームズ)「鑑賞のルール」
- NPO法人スウィング「京都人力交通案内『アナタの行き先、教えます。』」
- 田中功起「ひとりの髪を9人の美容師が切る(二度目の試み)」(2010年)
- 丹羽良徳「自分の所有物を街で購入する」(2011年)
- 田中みゆき 菅 俊一 野村律子「ルール?」
- 早稲田大学吉村靖孝研究室「21_21 to “one to one”」「滝ヶ原チキンビレジ」
- Whatever Inc.「D.E.A.D. Digital Employment After Death」(2020年)
*制作年の記載がないものは新作