兵庫県にある社会福祉法人一羊会では、1991年に絵本作家でボーダレスアートミュージアムNO-MAの元アートディレクターはたよしこさんによって、月2回のアート活動「すずかけ絵画クラブ」が始まりました。2001年からは「あとりえすずかけ」として一羊会のスタッフが作家の作品や商品制作をサポートしています。
「すずかけ絵画クラブ」設立当初からアトリエ活動に参加し、スイス・ローザンヌのアールブリュットコレクションにも収蔵されている作家舛次崇さんと富塚純光さんの作品が、兵庫県立美術館ギャラリーにて各々の個展というかたちで同時開催されます。
2021年1月に他界した舛次崇さんがアトリエ活動の中で制作した作品は約500点。これまで数多くの展覧会に出展および個展が開催されていますが、約100点にも及ぶ作品が一度に公開されるのは本展が初となります。富塚純光さんは、日頃からスケッチ・メモを残し、アトリエ活動内で作品におこしており、今回はその中から約30点の作品を展示します。巻物・掛け軸、画面いっぱいに文字が描き込まれた作品など、とても見応えのある作品が並びます。
あとりえすずかけを代表する作家2名が共に過ごしてきた30年間。それぞれの時間軸と世界観を感じながら鑑賞することができる展覧会です。