GReeeeNの楽曲「キセキ」
【あらすじ】
体育大学へ通う、学生選手権で無敗の走高跳の選手・藤堂遥。オリンピック強化選手への道も約束されており、自分にも他人にも厳しく、弱さを知らない勝気な性格もあいまって、周囲からの期待は高く、有望選手として記者からも注目されていました。
雨が降りだし駅から帰路へと急いでいたある日、遥は車に追突され、命は助かったものの下半身に麻痺を抱えて生きていくことになり、走ることはおろか、二度と歩けない身体になってしまいました。
走高跳選手としての夢は絶たれ、もてはやしていた後輩や、記者たちも、遥から離れていき、遥は次第に心を閉ざして塞ぎ込んでしまいます。
そんなとき、亡き父の親友の宮本が遥をたずねてきます。宮本は幼少の遥にカヌーを教えてくれた人物でした。地元の小学生を預かり教えているという宮本は、遥をカヌーに誘います。
遥が連れてこられたのは、とある運河。宮本のもとに集まるのは、それぞれが家庭の事情を抱えていたり、不登校になったりして学校に居場所を見つけられないブリッジスクールの子供たち。そして、ブリッジスクール出身のエンジニア・颯太と出会います。
「カヌーに乗ればみんな同じ…」障害に対する偏見をもたず接してくる子供たち。彼らととともにカヌーの練習をする遥は、次第にスポーツとしてのパラカヌーに目覚めていきます。
「人生も友達もみんな失ったと思った。でも、本当は自分自身を見失ってただけ。皆は周りにいてくれた」と気づいた遥は、自らを変えるため、ハンデを受け入れ、パラカヌーの選手としてパラリンピックに挑むことを決意し、選手としての新たなスタートを切ります。