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(カテゴリー)展覧会

(ニュースのタイトル)高知・藁工ミュージアムで「ちいさな蔵の展覧会 2020」

(更新日)2020年07月27日

(この記事について)

高知在住の方を中心とした障害のあるアーティストや作り手による作品を紹介する展覧会シリーズ

本文

シリーズ5回目となる今回は開徳由理氏の作品が、前期/後期に分けて紹介されます。開徳氏は幼少期から絵を描き始め、1990年代終わりごろから自宅や絵画教室などで精力的に制作に励んできました。近年徐々に筆を執らなくなりましたが、1990年から始めたさをり織りには現在も取り組んでいます。

彼女の絵画は、色とりどりの絵具で無数の丸い形が描かれ、そののびやかな筆使いとそれらが重なり合った深みのある色彩が魅力です。自覚的に色を選び配置していると聞くその色彩はさをり作品にも共通しており、鮮やかであったり濁ったりと幅広く変化する風合いも特徴的です。この20年余りの間に作られた作品からは彼女の一貫したスタイルと共に、制作時期ごとの作風の変化も見受けられます。

 85日から始まる後期展示では、これまでの彼女の活動を支えてきた周囲の環境に着目。母親と二人三脚で作品を作り上げてきた「自宅での制作」、近年までの活動場所であった「アートセンター画楽での制作」、また「さをり織りと絵画の関係性」にスポットを当てて紹介しています。

「誕生・叙事詩」より⑦幼い原子胞子/2002年/735×1035㎜

あじさい/2012年/1315×1960㎜

おはな/2007年/1305×1620㎜

ベスト/2019年/400×380×610㎜


作家プロフィール
開徳由理
1969年高知県にうまれる。
開徳さんは最近大きな絵を描かなくなった。出会ってから20年以上になるが、彼女を初めて知った頃、その手から生み出され迷わず幾重にも重ねられる無垢な筆跡には、なぜか心を動かされる力があった。
出会った頃にはもうすでに30歳を超えていたと思うが、それ以来、彼女と一緒に絵を描いた時間を振り返ると、子供が絵の具やクレヨンを手にしてカレンダーの裏紙に嬉々として絵を描く姿から始まり、だんだんと彼女なりに描くことの意味を獲得し、上手くかけることによって周りの大人に「ほら、私を見て!」という時代、そして自分なりのスタイルを獲得して、どんどん魅力的な作品を生み出す円熟期と変遷していったように思う。最近では大きな絵を描くことに飽きたのかキャンバスを貼って描かない?と誘っても応えてくれない。
この展覧会がきっかけとなって、再び彼女のスイッチが入ることを願う。
(文:アートセンター画楽代表 上田祐嗣)

出覧歴
「第2回世界障害者芸術祭」(ベルギー ブリュッセル市/1994年)
「初めての二人展」(高知さをりひろば/1995年)
「パラレルアーツ展」(新京橋プラザ/1997~2001年)
「アナザースピリットアート展」(新阪急ホテルロビー/2001年)
「NO BORDER #2」(高知県立美術館/2002年)
「画楽プロジェクトVol.1『うみだすもの、うまれること』」(高知市文化プラザかるぽーと/2007年)
「画楽プロジェクトVol.2『つながること、ひろがるもの』」(高知市文化プラザかるぽーと/2009年)
「画楽プロジェクトVol.3『アートと暮らし』」(高知市文化プラザかるぽーと/2012年)
「スピリットアート展のあゆみ」(藁工ミュージアム/2012年)
「スピリットアート(高知県障害者美術展)」(高知県立美術館/1997~2019年/入選25回 褒状2回 特選3


インフォメーション

ちいさな蔵の展覧会 2020 後期展示

会期:2020年8月5日(水)〜10月12日(月)
開館時間:10:00-18:00
休館日:火曜日
会場:藁工ミュージアム(高知市南金田28 アートゾーン藁工倉庫)
観覧料:一般200円
※高校生以下の方、障がい者手帳、療育手帳をお持ちの方とその介助者1名は無料 
※チケットの半券で前期・後期毎に会期中何度でもご入場いただけます

主催:藁工ミュージアム
協力:アートセンター画楽、高知さをりひろば、すずめ三里ホーム、宇野薫、横山隆一記念まんが館
高知県障害者文化芸術活動支援事業

お問い合わせ:
藁工ミュージアム[アートゾーン藁工倉庫]
TEL
FAX088-879-6800
https://warakoh-museum.com

会場

[藁工ミュージアム] 高知県高知市南金田28

藁工ミュージアム
高知県高知市南金田28