2018年より開催している宮城と山形の作家による交流展です。第3回目の今回は、宮城県の新人作家と、ぎゃらりーら・ら・らが注目する山形県のアーティストの作品と共に、作家の作品制作の背景やプロフィールを紹介し、宮城県と山形県の作家を取り巻く環境から作品を鑑賞することができます。
出展作家のプロフィールとコメント
佐藤 理恵子(1977-)
山形県酒田市
刺繍のおもしろみを感じるようになり、作品を見てもらいたいと思い始めた時に声をかけていただいて本人も喜んでいます。酒田市立第一中学校から山形県立鶴岡高等養護学校へ、卒業後、酒田水産に8年就業しましたが会社が廃業し、その後、就農し現在に至っています。午前は農業、午後は刺繍をしています。(ご家族より)
鈴木 千賀子(1973-)
山形県山辺町
私が写真を撮り始めたきっかけは、自分の心を表現したかったからです。私は昔から、自分の気持ちや意見を言葉にするのが苦手でした。でも自分の事はわかってほしい。そんな気持ちから写真を始めました。
被写体は特にこだわりはなく、ふとした時に目についた「力を感じるもの」「自分の心とリンクするもの」「おもしろいもの」等を撮っています。(作家より)
平 祐哉(1994-)
山形県南陽市
幼いころから怪獣映画が大好きで、何回も何回も繰り返しDVDを観ていました。小学校4年生頃からイラストを描くことに夢中になりました。好きな怪獣を好きなだけ思いっきり描き、時にはDVDそのままのストーリーを描いたりと怪獣少年でした。こだわりでしょうか、使用するものは、ずーっとサクラクーピーのみで、作品を完成させます。今は、視線を変えて風景や人物にも挑戦しているところです。(ご家族より)
椿 ジュン(1962-)
山形県山形市
2018年の春、突然咲き分けの椿を描き、その絵を自分で気に入り、描き始めた。人物画、風景画、静物画。無精者なので、そこらへんにあるもの何でも描く。でも、いつでも描けるが、いつでもやめられる、私は自由。(作家より)
齋藤知美(1980-)
山形県天童市・デイサポート天花所属
音楽鑑賞やお話しすることが大好き!部屋でCDを聞きながら熱唱。月1回、ヘルパーさんとカラオケ外出を楽しみにしており、たくさん歌っています。大切にしている手帳に大好きな歌やイラストがいっぱい!楽しいことは手帳に描き、スタッフに見せてくれます。今回の作品は、毎日1枚から2枚、デイサポート天花の創作活動時間で作成しています。「みんなに見てもらいたい」「かわいいものを描きたい」という想いがあります。周りの方とお話したりしながら、にこやかに取り組まれています。(デイサポート天花スタッフより)
平田和子(1957-)
山形県鶴岡市・慈丘園所属
鶴岡市大山のグループホームで生活しており、月曜日から金曜日まで慈丘園の通所グループで活動しています。63歳の女性です。自分のペースがあり何事もゆっくり、のんびりしています。好き嫌いなく何でも「美味しい」と言って食べています。とくに味噌ラーメンが好きです。色々な活動に参加し楽しんでいます。カラオケでは「小指の思い出」「ブルーライト横浜」を歌います。特に絵画、塗り絵をしている時は集中し、新聞記者に成ることが夢と話しています。見るもの聞くものすべてに感動し、表情豊かに表現するとても素敵な女性です。(慈丘園スタッフより)
佐藤 未宇(2004-)
宮城県登米市・NPO法人奏海の杜 子ども広場にこま~る中田所属
・絵を書いたきっかけ:4歳の時にアンパンマンを書いたことがはじまりです。
・主な制作場所:自宅のリビングと、にこま~る
・主な画材:水性ペン・100円均一の色鉛筆・自由帳が好き
・好きな色:ピンク・ふじ色
・好きなモチーフ:ユニコーン・オーロラ・カップケーキなど
・好きな食べ物:パイナップル
・最近ファッションデザインに興味があります。
・家でゆっくり過ごす時間が好きです。(作家より)
King.K(1968-)
宮城県仙台市・一般社団法人アート・インクルージョン所属
私は海外の女性を中心に描いています。他の人とは、同じ事はしたくない性です。そこには、リアル性とsexyさが込められていて描かれています。そこには海外の外国人女性の臭いさえしてくる位だと思っています。僕の作品のテーマは情熱です。(作家より)
「黒人になりたかった…。」高校時代に訪れたエジプトの強烈な異文化体験に基づく独特な作品世界を展開しています。本作は2019年11月25日~12月6日にAi GALLERYにて開催されたKing.K個展「WELLCOME TO THE PASSION ROOM」に向けて制作された500点ものドローイングのうちの3点。彼の描くアメリカ人女性の背後には、ロックフェラーセンターさえも買収した当時の狂乱的感覚が塗りこまれています。(アート・インクルージョンスタッフより)
Saiko(1979-)
宮城県仙台市・一般社団法人アート・インクルージョン所属
アート・インクルージョンで制作を始めたころは、働く車とディズニーキャラクターを熱心かつ大量に描いていたSaikoは自身の成長とともに、画風はそのままにモチーフを変化させてきました。模倣から、オリジナルへ。憧れから実際の体験へ。昨年の春からは彼岸に訪れたお寺にまつわるモチーフに着目。お坊さんの袈裟の柄やしぐさにも注目してみてください。(アート・インクルージョンスタッフより)
有我 樹(2009-)
宮城県仙台市・Wonder Art Studio/ARTS for HOPE所属
動物が大好きで突然5歳になり絵を描き始め、独特な世界に没頭するように毎日絵を描いています。これからも楽しんで描いてくれたらと思います。(ご家族より)
鋭く獰猛な野生動物も、樹くんのフィルターを通すと優しくのどかな絵に生まれ変わります。どの絵にも温かい平和な雰囲気が漂うだけでなく、英文字やラインを巧みにアレンジして自分の作品に仕上げていきます。気に入らない絵を妥協せずに廃棄するアーティスト魂も併せ持っています。樹くんの絵を溢れたら、世界は平和になるかもしれませんね。(Wonder Art Studio主宰/ARTS for HOPE代表 ホスピタルアーティスト 高橋雅子)
堀江 望海(2009-)
宮城県仙台市・Wonder Art Studio/ARTS for HOPE所属
色彩感覚が豊かで絵の具が大好きな望海くんは、水を得た魚のように嬉々として大きな紙に色を広げます。その瞬間、望海くん自身が色彩の一部となったように見えます。歓喜溢れる表情は創造の喜び。ダイナミックで自由な筆使いは抽象画さながらのインパクトです。ストライプの作品を見せると虹が、丸いものとつぶやくと果実が、ABCの歌を歌えばアルファベットの美しい色合いが生まれ、望海くんとのコミュニケーションはすべて作品に反映していくので楽しい限りです。(Wonder Art Studio主宰/ARTS for HOPE代表 ホスピタルアーティスト 高橋雅子)