改修工事のため約2年間休館していた東京都渋谷公園通りギャラリーのグランドオープンを記念した展覧会「あしたのおどろき」が開催されます。
展覧会では、誰の日常にも潜在的にあるおどろきや発見といった体験をテーマとし、さまざまな作品を紹介します。 ひとつの作品を見て、作家の目や手の動きをなぞると、これまで自分が見ていた世界からわずかにはみ出すような、小さなおどろきや不意の発見に出合うかもしれません。そうした体験は、私たちのものの見方を少しずつ変えていきます。
動物や日用品、風景といった身のまわりのものを独自の色やかたちで表したり、ドローイングや油彩、刺繍、アップリケなど身近な素材と技法を使って想像を超える表現を生み出したり、いままで意識を向けなかった空間の存在に気づかせてくれる作家たち。その作品は、当たり前だと思っているものの見方を揺さぶり、そういった体験を朗らかに、あるいは時に鋭く際立たせてくれます。さまざまな作品との交わりを通して、日常ことさら注目されないものや行為にあらためて光があたり、きょうとは違った世界が新しく開かれることでしょう。
【出展作家プロフィール】
小笹逸男(1924 – 2012)
京都府生まれ。1962 年より亀岡市の「みずのき寮」(現みずのき)に入寮。施設内の絵画教室に参加し、動物をモチーフとした絵画作品を中心に多く制作する。ローザンヌのアール・ブリュット・コレクションに5 点の作品が収蔵されている。
小林勇輝(1990 –)
東京都生まれ。2016 年、ロイヤル・ カレッジ・オブ・アート、パフォーマンス科修了。自身の身体を中性的な立体物として用いたパフォーマンスや絵画作品などを通して、社会における固定概念に疑問を投げかける。
舛次 崇(1974 –)
兵庫県生まれ。1993 年頃から西宮市の「すずかけ絵画クラブ」で作品制作に取り組む。植物や日用品、動物をモチーフとした独自の形態、配色のパステル画を描く。作品はローザンヌのアール・ブリュット・コレクションなどに収蔵。
末永史尚(1974 –)
山口県生まれ。1999 年、東京造形大学造形学部美術学科卒業。日常的に目にしたり、展示空間に関わる既存のものを素材とし、自身の視覚が反応できるものを繰り返し探りながら、絵画や立体の作品を制作する。
HIROYUKI DOI/土井 宏之(1946 –)
愛知県生まれ。独学で作品制作を始め、1985 年頃からは和紙に細かなまるを描くことにより、緻密でありながら力強いドローイングを制作。欧米にて活躍中。作品はアメリカン・フォーク・アート・ミュージアムに収蔵。
塔本シスコ(1913 – 2005)
熊本県生まれ。53 歳のとき、画家を志した長男が家に残していった油絵具と不要になったカンヴァスを使って、絵を描き始める。子どもの頃の思い出や身のまわりの出来事、自然を鮮やかな色彩で描き出す。
西岡弘治(1970 –)
大阪府生まれ。大阪市の「アトリエコーナス」で、2005 年より作品制作を始める。主に楽譜をモチーフとし、伸びやかでリズムに富む描線のドローイングを制作。作品はフランスのabcd コレクションやイギリスのアウトサイド・インなどに収蔵。
nui project/ヌイ・プロジェクト
鹿児島市にある「しょうぶ学園」の「布の工房」で作業を行う縫い手たち。1992 年より本格的に活動を開始。重ね縫いの糸目を自由自在に踊らせた独創的な作品を生み出す。2000 年頃より国内外で発表を行う。
藤岡祐機(1993–)
熊本県生まれ。ハサミを用いた切り紙の作品を制作。幾何学形に切り落とした紙のコラージュから始まり、現在は1mm にも満たない間隔でまきひげのように紙を切る作品へと展開。近年は海外展にも参加。
デニス・ホリングスワース
/Dennis Hollingsworth(1956–)
スペイン、マドリード生まれ。1991 年、クレアモント大学院大学修了。「wet on wet」という独自の手法や、厚紙で自作した道具などを用いて制作される作品は、物質の特性を引き出し、多様なテクスチャを生み出す。
松岡 亮(1974 –)
東京都生まれ。絵筆を使わず、指で紙や板と絵具の感触を確かめるように描かれる絵画作品をはじめ、ミシンを自在に走らせた鮮やかな色彩の刺繍、インスタレーション、壁画など、幅広い表現を手がけ、国内外の展覧会に多数参加。
丸木スマ(1875–1956)
広島県生まれ。70 歳を過ぎてから絵画を描き始め、1951年に初めて日本美術院展に入選。以後、表情豊かな動物や、生命力に満ちた花、野菜など、700 点を超える膨大な数の作品を残した。
*会期中、丸木スマの作品は展示替えがあります。
山本純子(1973–)
兵庫県生まれ。台所用品や食べ物、工具など日常の中にある身近なものをモチーフに、フェルトとさまざまな布を組み合わせたアップリケの作品を制作。ミュージアム・オブ・エブリシングなどに作品が収蔵される。
関連イベント
ギャラリー・クルーズ
出展作家の説明を聞きながら、展示室を巡ります。
日時 :2020年2月8日(土)13:00 –14:00
2020年3月29日(日)15:00 –16:00
*事前申込不要
学芸員によるギャラリートーク
東京都渋谷公園通りギャラリーの学芸員が作品解説を行います。
日時 :2020年2月22日(土)15 : 00 –16 :00
2020年3月15日(日)15 : 00 –16 :00
*手話通訳付、事前申込不要、途中参加可
ottoスペシャル・セッション「あさっての音の発見」
しょうぶ学園のメンバーからなるパーカッショングループ「otto」。小さな6人編成によるアコースティックで不思議な即興セッショ ンの世界をお楽しみください。
日時 :2020年2月29日(土)16:00 –17:00
会場 :東京都渋谷公園通りギャラリー 交流スペース
定員:40名
オープントーク「共生とアート:交わるおどろき」
建築家やエデュケーター、インディペンデント・キュレーターの立場から、アール・ブリュットを含むさまざまな芸術表現に携わってきた方々を招き、アートを通じた共生のあり方を更新する方法について考えます。
日時:2020年3月28日(土)14:00 –16:00
会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 交流スペース
定員:35名
*手話通訳付、事前申込不要、先着順
登壇者:家成俊勝(dot architects共同主宰/京都造形芸術大学教授)
野﨑美樹(NPO法人スローレーベルプロジェクトマネージャー)
ロジャー・マクドナルド(NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT]副ディレクター)
交流プログラム
ひらく、つながる
ライブ・コンサート、ライブ・ペインティング、パフォーマンス、展覧会と連動したアーティスト・トークなど、アーティストと来場者が関わり合い、呼応しながら創り出される交流プログラムが展開されます。グランドオープン記念事業として、音楽家・アーティストの蓮沼執太、展覧会出展作家の小林勇輝、松岡亮によるパフォーマンス等を予定しています。
【プログラム概要】
出演者 :蓮沼執太、小林勇輝、松岡亮
会期:2020年2月〜3月
会場:東京都渋谷公園通りギャラリー 交流スペース
参加無料
主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー
【出演者プロフィール】
蓮沼執太1983–
東京都生まれ。 蓮沼執太フィル、各地でのコンサート公演をはじめ、舞台、映画等への楽曲提供、環境音や電子音を中心としたサウンドワークから音楽プロデュースなど幅広い制作活動を行う。