重度の障害があっても地域で自立して生活ができるように、自立生活に必要なサービスを提供し、障害者の権利の獲得を求める自立生活センター。2019年現在、全国には121の自立生活センターがあります。その中で大阪にある3つの自立生活センター〈ムーブメント〉、〈自立生活夢宙センター〉、〈リアライズ〉では障害当事者が運営をし、日常的に手助けを必要とする人が、一人で暮らせるよう支援をしています。利用者の中には先天的なものだけでなく、病気や事故などにより様々な障害を抱えながらも、家族の元や施設ではなく自立生活を希望する人たちがいます。自由と引き換えにリスクや責任を負うことになる自立生活は、彼らにとってまさに〝命がけ〞のチャレンジです。家族との衝突、介助者とのコミュニケーションなど課題も多く、時に失敗することもあります。しかし自ら決断し、行動することで彼らはささやかに、確実に変化をしていきます。
監督は自らも介助者として働く田中悠輝。障害当事者からの「自分たちの姿を撮って欲しい」という声を受け、自立支援の現場で働きながら、3年にわたり撮影を続けました。彼らとの関わりを通して、自分自身の内に「障害者」という勝手な枠組があると気づいた田中監督が、その枠組を壊し、自分を、社会を、変えていこうと奮闘する人々を見つめ、〝生きづらさ〞を抱えた人たちが、〝自分らしさ〞を取り戻す瞬間とその輝きを映し出します。