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(カテゴリー)展覧会

(ニュースのタイトル)東京・港区の国立新美術館で展覧会「ここから4」を開催

(更新日)2019年11月25日

(この記事について)

アート、デザイン、マンガ・アニメーションから障害・表現・共生を考える5日間

本文

 2016年秋に障害者のアートやスポーツ義足などのデザインに関する展覧会「ここから」展を開催して、今回で4回目となります。「ここから4」では、障害のある方たちが制作した魅力ある作品だけでなく、様々な障害・障壁への気づきをうながすマンガ・アニメーション作品や体験型のメディアアート作品などを紹介する展覧会です。多様な美術作品が共存する空間を通じて「表現が持つ根源的なよろこび」を感じ、共生社会や文化の多様性について関心や理解を深める機会となります。また、鑑賞支援の取り組みを進めることで、より多くの人に「ひらかれた」展覧会となり、障害の有無を超越し多様な作品が「ごちゃまぜ」に共存する空間を通じて、創造的に生きることの原点を実感できる機会となります。


展覧会内容

障害の有無にかかわらず選ばれた約20組の作家が出展します。アート、デザイン、マンガ、アニメーションといった多様な分野にわたる作品を、5つのキーワードを通じて紹介します。


1.いきる-共に
萩尾望都/山城大督

萩尾望都 《半神》 1984年
マンガ
身体が繋がった結合双生児を描く,短編作品。「生きる」とは何か,「自分」とは誰なのかを考えさせるような,哲学的示唆に富んだ作品。
©HAGIO moto/shogakukan

山城大督 《佐藤初女|2014年9月30日》 2014年
映像
青森県岩木山のふもとにて,「森のイスキア」を主宰していた佐藤初女さん(2016年2月1日死去。94歳)。その主な活動は,訪れる人々に「食事」と「対話」の場を提供すること。仕込みから,招き入れ,食事,対話,見送りまでの一連の活動を記録した映像作品。映像シリーズ「行為の記録」のうちの1編。


2.ふれる-世界と
上嶋重次/押見修造/西野克/MATHRAX〔久世祥三+坂本茉里子〕/nui project

MATHRAX 〔久世祥三+坂本茉里子〕《いしのこえ》 2016年
メディアアート
海岸で見つけた,なぜか気になってしまう石を用いて,触れる,聴くをテーマにした作品。人の触覚が志向する先にあるものを垣間見るインスタレーション。


3.つながる-記憶と
井上雄彦/鵜飼結一朗/岡部亮佑/APOTROPIA

鵜飼結一朗 《妖怪》 2019年
アート
同じ対象の生物を次々と描き、重ねるにつれ絵に奥行が生まれる。群れや行列を成す生物の姿は、どこかコミカルさを感じさせる。

[ruby base="APOTROPIA" kana="アポトピア"](アントネッラ・ミニョーネ / クリスティアーノ・パネプッチャ)《Kintsugi》 2014年
映像
交通事故にあった作者による,松葉杖を用いたダンスと日本の「金継ぎ」の技法のイメージ映像を重ね合わせ,「再生」を描く。 ©Antonella Mignone, Cristiano Panepuccia


4.あつまる-みんなが
世界ゆるスポーツ協会 トントンボイス相撲チーム(大瀧篤、澤田智洋、水野博之、喜田葉大、藤崎克也、全国紙相撲倶楽部)/マスカラ・コントラ・マスカラ/森本晃司/和田淳/やまなみ工房+PR-y

マスカラ・コントラ・マスカラ 《覆面とロック(レコジャケシリーズ)》 2016年~2017年
アート
秋本和久,吉川健司,石平裕一の3人のコラボレーション。ケンジさんが覆面レスラーの絵を描き,そこにカズヒサさんが造形的な字を書く。アシスタントのイシダイラさんが2人をつなぐ接着剤として関わる。

和田淳 《マイ エクササイズ》 2017年~2019年
ゲーム
ボタンを押すと,少年が腹筋を鍛えるエクササイズをするゲーム。腹筋運動の数がカウントされ,回数に応じて他の動物が応援にやってくる。「見ていて気持ちのいい」感覚を呼び起こす,繊細なアニメーションを得意とする作家が初めて制作したゲーム作品。
©Atsushi Wada, New Deer


5.ひろげる-可能性を
いがらしみきお+渡邊淳司+東京藝術大学芸術情報センター(大谷智子、小河原美波、加藤あずさ、城戸彩夏、篠田怜寿、髙山七虹)/佐々木華枝/佐々木省伍/本多達也/吉村和真・藤沢和子・都留泰作/BEAMS × KOBO-SYU

本多達也 《Ontenna (オンテナ)》 2019年
プロダクトデザイン
音の特徴を振動と光に変換できる装置。髪や襟元などに身に着けることによって,あらゆる人々が,さまざまな音をからだでとらえて楽しむ,新しい体験ができる。
Innovated by FUJITSU

佐々木華枝 《ヘリコプター》
アート
佐々木華枝さんの絵は小さい。たっぷり取られた余白は空っぽではなく,空気がつまっているようだ。佐々木華枝さんの作品は,BEAMS×KOBO-SYUのプロジェクトではシャツが製品化された。


【関連イベント】
イベント「マンガ・アニメを語る/ゆるスポーツを楽しむ」
出展作家をお招きして,作品についてのお話を伺ったり、「ゆるスポーツ」を紹介するイベントを開催します。
日時:2019年127日(土)14:30-17:00
会場:国立新美術館 3階講堂
登壇者:いがらしみきお、森本晃司、大瀧篤 ほか
参加無料

鑑賞サポート
展示室内で、アート・コミュニケータが鑑賞のサポートをします。
日時:2019127日(土)・8日(日)
会場:展示室内
参加無料、事前申込不要
協力:一般社団法人タップタップラボ/アート・コミュニケータ東京

関連企画 「アイヌ文化にふれる」
ここから展で取り上げてきた「障害」だけでなく、より幅広い視点で「共生」を考えてゆくためのひとつのきっかけとして、文化庁が取組んできたアイヌ文化の振興等を図るための施策を紹介します。アイヌの伝承をもとにしたアニメーションと、20204月に北海道白老町にオープンする「ウポポイ(民族共生象徴空間)」のコンセプトムービーを上映します。

開会式
展覧会オープンに先駆けて、作家たちが参加し、展示をご覧いただける開会式を一般公開します。
日時:2019年124日(水) 9:45-
*展示室への入場は10:00-となります。
*開会式後にギャラリートークを実施します。


インフォメーション

ここから4 ―障害・表現・共生を考える5日間
会期:2019年12月4日(水)~12月8日(日)10:00-18:00
会期中無休
*12月6日(金)、7日(土)は20:00まで
*入場は閉館の30分前まで
会場:国立新美術館 1階展示室1A(港区六本木7-22-2)
観覧無料

主催:文化庁
共催:国立新美術館
制作:アートインプレッション

お問い合わせ:
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
https://www.kokokara-ten.jp

会場

[国立新美術館] 東京都港区六本木7-22-2

国立新美術館
東京都港区六本木7-22-2