全国各地で行われている障害のある人たちの芸術文化活動。ときに絵画や立体の「美術作品」として展示されたり、ときに演劇やダンスといった「舞台作品」として発表されたり。でも、そうして「カタチ」になる手前をつぶさに見れば、すでに彼ら彼女らが自分の思いや感性をジャンルにかかわらず「表現」している豊かな「日常」が存在していることに気付かされます。そしてその日常を楽しめるかは、障害者/健常者という括りと実は関係なく、むしろ「いろんなところに表現のたねは落ちている!」という、「まなざし」を持てるかどうか次第、なのではないでしょうか?
そのような思いのもとに企画された「まなざしラジオ!! in長野」では、長野県内でまさにそんなまなざしに溢れた現場を営まれている方々がお話しします。そこからさらに障害のある人の芸術文化活動を普及支援するための「仕組みづくり」についても、長野を事例に文化政策の専門家を交えてざっくばらんに話しあうことで、まなざしを持ってアクションに取り組むひとたちがつながりあう機会をつくります。
また、フォーラムでありながらも、語られた音声をアーカイブし後日編集してネットラジオとして公開する「ラジオスタイル」でお届けします。今後の障害福祉における芸術活動を充実させるためによりどころとなる「こえとことば」を残します。
*こんな方々に参加してほしい!まなざしを交換してつながりあうために
・障害福祉現場で芸術活動を広げようと、日々奮闘されている支援者の方
・障害福祉現場で芸術活動に携わっていて、福祉とアートが交わるシーンに関心があるアート関係者
・障害者の芸術活動の普及を目指したい、自治体の障害福祉担当者、文化振興担当者
・ご自身に障害があり、芸術活動(創作、鑑賞)に積極的に取り組まれている方
【タイムテーブル】
13:30-13:45 オープニングラジオ
13:45-15:05 セッション1
長野での「まなざし」を知ろう!ザワメキアート展やリベルテの実践から
ゲスト:関孝之氏、武捨和貴氏
15:15-16:00 セッション2
「まなざし」を各地でつないでいくために大切な「仕組み」について、文化政策の専門家からちょっと学んでみよう!
ゲスト:大澤寅雄氏
16:00-16:50 セッション3
いろんな地域でやってます。障害のある人の表現を支える近隣県の「支援センター」を知ろう!
ゲスト:米田昌功氏(富山県障害者芸術活動支援センター ばーと◎とやま代表)
堤鉄博氏(公益財団法人岐阜県教育文化財団/岐阜県障がい者芸術文化支援センター・TASCぎふ)
17:05-18:15 ラジオ座談会
みんなの「まなざし」を分かち合い、それらを持続させるためにどんな「仕組み」があったらいいか語り合おう!
18:15-18:30 クロージングラジオ
パーソナリティ:アサダワタル(文化活動家/東京アール・ブリュットサポートセンターRightsディレクター)、小川由香里(社会福祉法人愛成会スタッフ、アトリエぱんげあ主宰)
コメンテーター:大澤寅雄氏
【主な登壇者プロフィール】
関孝之
(NPO法人ながのアートミーティング代表/信州ザワメキアート展実行委員会委員長)
1954年生まれ。社会福祉法人かりがね福祉会で勤務しているときに「風の工房」を開設して障害者の表現活動支援を始める。アートパラリンピック長野の実行委員、スペシャルオリンピックス長野県大会のアートディレクターを務め、2014年からは、NPO法人ながのアートミーティング代表として障害者のアート活動を応援する活動に専念し、出前アートワークショップやアートサポーター養成講座などを行っている。信州ザワメキアート展実行委員長。
武捨和貴
(特定非営利活動法人リベルテ理事長/スタジオライト施設長)
1982年生まれ。長野県真田町出身。上田市在住。通信制の大学卒業後、地元のギャラリーに飾られていた作品に出会い、その作者が通っていた福祉施設「風の工房」に就職。2013年に退職し、同年NPO法人リベルテを設立。地域や社会とゆるく繋がれる居場所やアジールとなる場所(共同作業所2.0)としての福祉事業と、障害が文化の起点や交差点となるという考えから文化事業を行う。妻と子、猫の3人と1匹暮らし
大澤寅雄
(文化生態観察/株式会社ニッセイ基礎研究所主任研究員)
(株)ニッセイ基礎研究所芸術文化プロジェクト室主任研究員、日本文化政策学会理事、NPO法人アートNPOリンク理事、九州大学ソーシャルアートラボ・アドバイザー。共著=『これからのアートマネジメント”ソーシャル・シェア”への道』『文化からの復興市民と震災といわきアリオスと』『文化政策の現在3文化政策の展望』『ソーシャルアートラボ地域と社会をひらく』。