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(カテゴリー)展覧会

(ニュースのタイトル)はじまりの美術館(福島・耶麻郡猪苗代町)で企画展「わくわくなおもわく」

(更新日)2019年08月20日

(この記事について)

「共同性」をテーマに8組の作家を紹介する展覧会

本文

 世の中の「作品」といわれるものには、一人で制作したもの、誰かに手伝ってもらい制作したもの、誰かと制作したものなど様々な制作過程があります。アーティストのなかにはユニットやチームなど、個人ではなく複数人で制作をすることを前提に活動している方々もいます。

障害のあるアーティストも一人ですべて完結して制作する方もいれば、支援者が様々なサポートをしたり、作品としての完成を周りの人が決めたりする場合もあります。また、モノとしての作品ではなく、その場に集う人たちの多種多様な振るまいを表現として作品と捉えたり、特定のコミュニティが創造的な場として注目を集めることもあります。誰かと制作したり、いろんな人たちが関わった制作や場所は、ときに想像を超えたものを生み出します。

はじまりの美術館は美術館のスタッフをはじめ、出展作家、地域の人々、来場者等、さまざまな人たちが関わりながら活動を続け、今年6月に5周年を迎えました。

展覧会「わくわくなおもわく」では、誰かと誰かの「わくわくなおもわく」によって生まれた作品や取り組みを紹介し、ユニークな作品や心動かされる取り組みによって、見に来ていただいた方々の気持ちを刺激し、いろいろなおもわくが新しい何かを生み出すきっかけになるでしょう。


【出展作家】

悪魔のしるし
演出家の危口統之(1975 年生~2017 年没・岡山県出身)が、2008 年に結成。演劇的な舞台作品と、あるルールに則った即興要素のあるパフォーマンス「搬入プロジェクト」など様々な作品の上演を重ねる。

 

悪魔のしるし「搬入プロジェクト #3 豊島 唐櫃公堂計画」2010
撮影:杉田大輔


折元立身
1946 年生まれ。神奈川県在住。パンをつけて歩きまわる「パン人間」パフォーマンス、母との介護生活から生まれたアート作品「アート・ママ」シリーズなど、日常から生み出されたユニークで愛情ある独自のアート表現で知られる。

 

折元立身《ART-MAMA+SON》 2008


鎌江 一美
1966 年生まれ。滋賀県在住。滋賀県の福祉施設やまなみ工房所属。思いを人に伝えるのが苦手な彼女は、コミュニケーションのツールとして振り向いて欲しい人の立体を作り続けている。モデルはすべて思いを寄せる男性。

鎌江一美《まさとさん》2011


Q&XL

Q
1973 年生まれ。京都府在住。2006 年よりNPO 法人スウィングに所属。2008 年、芸術創作活動「オレたちひょうげん族」の創設メンバーとして絵画制作を、2012年から詩作をはじめる。

XL
1967 年生まれ。京都府在住。中学卒業後、左官屋に就職するも激しいいじめに遭い退職。推定15 年に及ぶ引きこもり生活に突入する。2005 年、NPO 法人スウィング代表・木ノ戸氏に声をかけられ、スウィング設立メンバーのひとりとなる。

Q&XL(NPO法人スウィング)《京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」》
撮影:成田舞(Neki inc.)


小山田徹香月

2017 年活動開始。京都府在住。小山田徹は1984 年、大学在学中に友人たちとパフォーマンスグループ「ダムタイプ」を結成。京都市立芸術大学教授。《お父ちゃん弁当》は、当時幼稚園の息子の弁当を小学2 年生の姉が弁当の原画を描き、父が作るという、朝の家族プロジェクトのドキュメント。父と子供達の対話と奮闘の記録である

小山田徹+香月《お父ちゃん弁当(火山プレート)》2017


橋本 克己
1958 年生まれ。埼玉県在住。聾、下半身まひの重複障害を理由に就学免除とされ、20 歳から「障害者の自立生活と共に生きる街づくりをすすめる埼玉の「わらじの会」と出合うことで地域に姿を現し、未確認迷惑物体として浮遊し街を活性化させ、それを絵日記に描き続けている。

 

橋本克己《無題(橋本克己絵日記より)》2019


藤井真希子橋本吉幸

藤井 真希子
1976 年生まれ。福島県郡山市在住。郡山市にある自宅で生活しており、日中は「でこぼ工房」で、製菓会社のお菓子の箱折り作業やunico 製品作りとしてコースター等の刺し子、さおり織りなどの活動をしている。

橋本吉幸
1982 年生まれ。福島県郡山市在住。郡山市にある障害者支援施設あさかあすなろ荘で過ごしており、日中は「でこぼ工房」や「地域生活サポートセンターパッソ」に行き、製菓会社のお菓子の箱折り作業、unico 製品作りとしてコースターの下絵を描くなどの活動をしている。

藤井真希子+橋本吉幸《花畑》制作年不詳


宮田篤
1984 年生まれ。代表作はテーブルゲームのように参加者が1冊の本をつくるおとなもこどももあそべるぶんがく《微分帖(びぶんちょう)。ワークショップやドローイングによって他者との関わりの中にある差異を見つめることを制作の契機にしている。

宮田篤《ことばの森:微分帖》2010 撮影:元圭一(CACTUS)


【関連イベント】
ギャラリートーク ~みんなで一緒に展示室をめぐろう!~
美術館スタッフと一緒にみんなで「おもわく展」を巡ろう!誰かと一緒に作品を見ると、新しい気づきがあるかもしれません。大人も子どもも大歓迎です。
日時:2019921日(土)、1026日(土)
   各日13:30-14:30
参加無料(要展覧会観覧料)

ばんかたミュージアム
3日間限定で、20:00まで美術館を開館します。昼とはまた違った表情を見せる夜の美術館で、「おもわく展」をゆったりお楽しみください。美術館正面広場では焚き火を行います。
日時:2019823日(金)、830日(金)
   各日18:00-20:00

小山田徹トークイベント+焚き火
出展作家である小山田徹さんをお招きしたトークイベントです。小山田さんのこれまでの活動から本展出展作品《お父ちゃん弁当》について、そして焚き火をめぐる場についてお話を伺います。
日時:2019 10 6 日(日)17:00-19:00
アーティスト:小山田徹
参加費:1000 円(観覧料込み)*要予約

Book!Book!AIZUとわくわくなおもわく
ほんのわ2019 トークイベントシリーズ「詩人ウチダゴウのトークイベントと詩の朗読会」
2011年から本と人、本とまちがであうイベントを開催してきたBook!Book!AIZU。今年は「ほんのわ2019」と題し、はじまりの美術館でトークイベントを開催します。
8/31(土)~9/15(日)までウチダゴウ作品展をはじまりの美術館ohaco カフェにて開催。
日時:2019 9 15 日(日)18:00-20:00(開場1730
ゲスト:ウチダゴウ(詩人・グラフィックデザイナー)
参加費:2000 円(観覧料・軽食付き)

各イベントの詳細・お申込みはこちらから
http://hajimari-ac.com/enjoy/exhibition/omowaku.php

 


インフォメーション

わくわくなおもわく
会期:2019年7月27日(土)〜11月10日(日)
開館時間:10:00-18:00 8月16日(金)、23日(金)、30日(金)のみ20:00まで開館
休館日:火曜日
会場:はじまりの美術館(耶麻郡猪苗代町新町4873)
観覧料:一般500 円、65 歳以上250 円、高校生以下・障害者手帳をお持ちの方および付添いの方(1名まで)無料

主催:社会福祉法人安積愛育園 はじまりの美術館
協賛:ヨシリツ株式会社(LaQ)
後援:福島県、福島県教育委員会、猪苗代町、猪苗代町教育委員会、あさかホスピタルグループ
協力:ART MAMA FOUNDATION、unico、NPO 法人スウィング、公益財団法人諸橋近代美術館、
社会福祉法人やまなみ会 やまなみ工房、Book!Book!AIZU 実行委員会、わらじの会

お申し込み・お問い合わせ
社会福祉法人安積愛育園 はじまりの美術館
TEL・FAX0242-62-3454
Eメール:otoiawase@hajimari-ac.com
Webサイト:http://hajimari-ac.com/enjoy/exhibition/omowaku.php

 

会場

[はじまりの美術館] 日本福島県耶麻郡猪苗代町新町4873 はじまりの美術館

はじまりの美術館
日本福島県耶麻郡猪苗代町新町4873 はじまりの美術館