ストップギャップ ダンスカンパニーは1997年の設立以来、“人と違うこと―それは私たちの存在理由であり、私たちの生き方そのものだから”をコンセプトに、障害のあるダンサーと障害の無いダンサー、それぞれの身体性、経験、知的能力の可能性を活かして芸術性の高い舞台作品の創造を続けてきました。
2008年にブリティッシュカウンシルとJCDN(ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク)が日本各地で開催した「Dance Life Festival」で初来日し、ワークショップやデモンストレーションを行った彼らですが、この度、『エノーマスルーム』(原題「果てしのない部屋」)と題された新作をもって、日本初の公演が行われます。
本作は、リビングルームを舞台に、妻であり母(ジャッキー)を亡くした夫(デイヴ)と娘(サム)の記憶と現実がめくるめく交差する物語。デイヴとサム、二人のそれぞれの思い出の中のジャッキー、そして彼らの妄想の中に新たに生まれたユニークなキャラクター・チョックが観客を迷宮の世界へと誘います。
「ダンスを新しいジャンルへと導く舞台」(英・Disability Arts Online)とも評され、ダンスはもちろんのこと、演劇的なシーンやどこか温かみのある印象的な美術、幻想的な曲調からロックまで様々な音楽が舞台を彩ります。パフォーミングアーツの無限の可能性をぜひ劇場でご体感ください。
【ストップギャップ ダンスカンパニー】
1997年よりプロフェッショナルのダンスカンパニーとして活動を始め、誰もがダンスを楽しめる環境づくりや、観客の既成概念を取り除くことをミッションの柱として、障害の有無に関わらずダンサーの身体能力や知的能力の可能性を活かし、ともに協力しながら芸術性の高い作品を発表してきました。ブリティッシュカウンシルや、アーツカウンシルイングランドの助成のもとイギリス国内外でツアーを展開するほか、中学校の教科書で彼らの作品が紹介されるなど教育現場での注目も高く、学校や地域でのワークショップを開催するなど教育プログラムにも積極的に取り組んでいます。
【スタッフ・キャスト紹介】
ルーシー・ベネット(アーティスティック ディレクション)
大学にてダンスを学び、2003年よりストップギャップ ダンスカンパニーへ参加。カンドゥーコ・ダンスカンパニーの創設者アダム・ベンジャミンや、ホフェッシュ・シェクター、ナタリー・ペルネット、トーマス・ヌーンら世界的に活躍するダンサーの作品に出演する一方、自らの振付作品を発表。カンボジアのエピック・アーツへの振付や、パラリンピックのためのリバティー・フェスティバル、UKカルチュラル・オリンピアードのための作品を発表。レジデント・コリオグラファーを経て、2012年よりカンパニーの芸術監督となる。
デーヴィッド・トゥール(ダンサー、夫 デイヴ役)
ラバンセンターでダンスを学ぶ。カンドゥーコ・ダンスカンパニーに参加する一方、グレイアイ・シアター、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーなどに出演。DV8が制作した、シドニーオリンピックのための作品“Can We Afford This?“に参加。2012年のロンドンパラリンピック開会式でソロパートを踊る。俳優としてサリー・ポッター監督「タンゴ・レッスン」などにも出演。
ハンナ・サンプソン(ダンサー、娘 サム役)
ストップギャップ・ユースカンパニーに参加し、2010年よりカンパニーメンバーとなる。ヨーロピアンストリートアーツ・フェスティバル、UKカルチュアル・オリンピアードの作品に参加。ダウン症でありながらキングストン・カレッジでパフォーミングアーツのBTECを取得。ストップギャップへは、ダンサーとして参加するほか各地でダンスのワークショップを行っている。
ナデン・ポアン(ダンサー、チョック役)
カンボジアのエピック・アーツに参加し、ダンスや振付、演技などを学ぶ。アダム・ベンジャミン、英国を拠点に活動する日本人ダンサー南村千里などの創作に参加。2013年よりストップギャップのメンバーとなる。