障害のある人、ケアする人、ダンサー・佐久間新、音楽家・野村誠とほんまなほらによる、共創の舞踊劇「だんだんたんぼに夜明かしカエル」が兵庫と東京で公演されます。
「共創の舞踊劇」とは、障害のある人、ない人、社会的課題をかかえた人たちがダンサーとともに既存の身体表現の枠組みを超えることで、多様な表現のあり方を社会に問うことを目指しています。この舞台作品を通して人間の存在の幅広さ、奥深さ、そして人間を含むあらゆる自然と生命の声に耳を澄ませる機会となることでしょう。
作品創作の過程で、2018年夏から冬にかけ、佐久間新とたんぽぽの家アートセンターHANAメンバーが14年間培ったダンスの技法をシェアすべく、関西の3つの異なるコミュニティ(①既存の幼稚園や学校へ行くことをやめた親子、②高齢者とインドネシア人介護福祉士候補生、③障害のある人とケアする人)でダンスワークショップを3回ずつ開催しました。より多くの人とシェアするための手法を学びました。ここでの経験も舞台に活かされています。
〈たんぽぽの家〉
[アート]と[ケア]の視点から、多彩なアートプロジェクトを実施している市民団体です。ソーシャル・インクルージョンをテーマに、アートの社会的意義や市民文化について問いかける事業を実施しています。国内外の団体とネットワーク型の文化運動を展開し、より公共性の高い仕事に取り組んでいます。
たんぽぽの家と佐久間新は14年間「ひるのダンス」という、ダンスの取り組みを続けています。総合舞台作品として発表するのは、今回が初めてです。
演出・振付:佐久間 新
ジャワ舞踊を探求する中から「コラボ・即興・コミュニケーション」に関わるプロジェクトを推進中。からだから生まれる言葉で話す「からだトーク」(大阪大学)、障害者と新しいダンスを創る「バニュ・プロジェクト」(たんぽぽの家・奈良)、マイノリティの人とのダンス映像制作(CROSSROAD ARTS・オーストラリア)等。共著に「ソーシャルアート 障害のある人とアートで社会を変える」(学芸出版社)。