誰もが参加できるインクルーシブな社会の実現を目指し、東京オリンピック、パラリンピックが開催される2020年に続く未来に向けて展開するプロジェクト「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS(ダイバーシティ・イン・ジ・アーツ)」は2018年9月「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS 2020 ミュージアム・オブ・トゥギャザー サーカス」を渋谷ヒカリエ8/COURTにて開催しました。
同展は日本財団と渋谷区が共催した「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA(ソーシャル・イノベーション・ウィーク・シブヤ)」の開催とあわせ、2020年に開催する展覧会へ向けた幕開けとして実施したものです。
会場では、2017年に開催した「日本財団DIVERSITY IN THE ARTS 企画展 ミュージアム・オブ・トゥギャザー」から、参加作家7名の作品を展示しました。今回は作品の展示だけでなく、アートをより身近に感じてもらえるよう、来場者が作品と一緒に写真を撮って楽しめる顔はめパネルや、動物のようなユニークな展示什器を設置。サーカスのように賑やかな空間での新たなアートとの出合いを提案しました。
展覧会オープンの前日には、出展作家の竜之介 さんが作品制作を実施。自身のスケッチブックのイラストから完成した顔はめパネルに、ペンやマーカーを使って自由に装飾をし、カラフルなパネルを完成させました。穏やかな秋晴れが続いた会期中には、若い世代からシニア世代、お子様連れのご家族など、約4千人の方にご来場いただき、笑顔で包まれる賑やかな会場となりました。
会期中9月15日(土)、16日(日)、17日(月祝)には関連プログラムを実施。“本質”というテーマで「DIVE DIVERSITY SESSION(ダイブ・ダイバーシティ・セッション)」という渋谷区主催のプログラムと連携し、本企画の軸である、“アート”、“アーキテクチャー”、“アクセス・アート・プログラム”の3つの側面から「ミュージアム・オブ・トゥギャザー トーク」を行いました。キュレーターや小説家、建築家をはじめ、女優や美術館館長、出展作家や本展ボランティアスタッフにもご登壇いただき、さまざまな視点から議論が展開され、約350人の方にご参加いただきました。
会場では出展作家の渡邊義紘 さんによる切り絵の公開制作を開催。はさみ一つで繊細な生き物が生み出される様子には目を奪われます。2日間にわたって完成した作品は、恐竜や虫、海の生き物など、さまざま。作品の制作工程を間近に見ることのできる貴重な機会に、多くの方が足を止め、熱心に鑑賞していました。
会場に立つボランティアスタッフは、昨年活躍されたスタッフの方との再会を含めて、社会人や学生、アーティスト、デザイナー、大学職員から専業主婦の方まで、幅広い年齢層や職業の方たちに参加いただき、会場のご案内や作品鑑賞のサポートなどを行いました。また、バリアフリー共有アプリ「Bmaps(ビーマップ)」とも連携し、展覧会の会場から出たあとも楽しめるよう、会場周辺の飲食店などのアクセス情報の提供も行いました。
5日間という短い会期でしたが、本展を通して得られたこれらの気付きやヒントを活かしながら、2020年に予定する展覧会や2020年以降に向けて繋げていきたいと考えています。
【展示作家】
川内理香子、小松和子、清水千秋、ピーター・マクドナルド、古谷秀男、竜之介、渡邊義紘